帰宅困難者とは、災害発生時に会社や学校、外出先などにおり、交通機関の停止などの影響を受けて自宅に帰るのが難しくなった人のことです。災害発生時にはいち早く自宅に帰りたいと考えがちですが、落ち着いた対応が必要です。

災害発生時に想定される状況

災害が発生した場合、その種類や発生場所にもよりますが、電車やバスなどの交通機関が停止する可能性が高いです。また、自家用車で外出している人が一斉に車で帰宅することで、大渋滞が発生する可能性も考えられます。

車や電車の利用が難しくなると、ほとんどの人は徒歩で自宅へ帰ろうとします。この徒歩による帰宅が路上や鉄道駅周辺などでの大混雑を引き起こすのです。単なる大混雑で足止めを食らうだけならまだ良いですが、場合によっては集団転倒、落下物などによる負傷といった被害が発生することも考えられるでしょう。

また路上の大混雑が道路にまで広がり、災害で負傷した人の救助や消火活動、救援物資の輸送活動などがスムーズに進まなくなることもあるのです。

帰宅困難者にならないためにできることは?

帰宅困難者にならないためにできることは、まずはむやみに移動を開始しないことです。災害が発生した時こそ、費用をかけて用意した防災シェルターに移り安全を確保したくなることでしょう。しかし、津波など目に迫る危険が迫っていないのであれば、急いで帰宅せず、電話や伝言ダイアルを使い家族などの安否を確認します。

そして、帰宅困難者の混雑が収まるのを会社や外出先で待つのが安全でしょう。会社であれば、私物も少しは持ち込んでおけるはずです。普段からロッカーなどに1泊以上止まるための備品を備えておきましょう。また会社がどのような備蓄を用意しているか、事前に確認しておくことも大切です。

外出先の場合は、出歩くたびにたくさんの荷物を持ち歩くわけにはいきません。いつでも連絡を取れるように携帯電話やスマートフォンのバッテリーや充電器、地図といった最低限でなおかつ必要なものを持ち歩く癖をつけましょう。

帰宅をする前には、必ず帰宅経路までの道のりの状況確認を行い、混雑状況や周辺の安全状況を確認してから行動することが大切です。

まとめ

災害が発生すると家族の安否が確認しにくくなったり、交通機関が停止することで帰宅困難者が路上にあふれかえります。混雑に巻き込まれると想像以上に帰宅に時間を要する上に、自分の身が危険になる可能性もあります。

しっかりと費用をかけて防災シェルターを自宅に用意しても、会社や外出先で被災する可能性は十分にあり得ます。帰宅が困難な時こそまずは落ち着いて、自分が動き出すベストなタイミングを見計らいましょう。

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