避難には「家庭内避難」と「家庭外避難」の違いがあるのをご存じでしょうか?文字通り「家の中に避難するのか家の外に避難するか、そういうことでしょう!」と回答されると、正にその通りなのですが、この2つでは「備蓄する物」に大きな違いが出てくるのです。
最近よく言われている「家庭内備蓄は最低7日間分用意すること」は、ここで言う「家庭内避難」の場合なのです。
もしあなた、あなたの家族が災害時に避難所に避難する「家庭外避難」を選択しているとしたら、7日分の備蓄をしていても持ち出せる訳がありませんよね。となると、一様に7日分の備蓄をする必要がなくなってくるのです。
ここでは「家庭内避難」の時の備蓄物と、「家庭外避難」の時の備蓄に関しても触れておきたいと思います。
「家庭外避難」を選択している場合は、最低限の備蓄でOK
「家庭外避難」を選択している方は、突発的な火災に見舞われる以外であれば、ハザードマップなどでご自宅が浸水したり、土砂災害警戒区域の範囲にあったりして、家に留まることが安全でない方になるでしょう。
- 家庭外避難では、命を守ることが最優先
- 必要最低限の物を持って避難することが精いっぱい
- 7日分備蓄していても全て利用するのは難しい
- 「非常用持ち出し袋」に入る分だけが必要なものとなる
このように「家庭外避難」の場合は、避難所に持っていけるだけの物品しか持ち出せないこととなります。避難所にたどり着けば、食料や飲料水、毛布などは提供されるので、着替えや持病の薬、預金通帳、現金など、本当に最低限必要なものを「非常用持ち出し袋」に準備しておくことをお勧めします。
「家庭内避難」を選択している場合は、冷蔵庫の中身も使える
では「家庭内避難」を選択した場合はと言うと、避難所のように食料や飲料水の提供はないので、自信で備蓄しておく必要があります。最も重要なのは「飲料水」の確保です。1日3リッターと言われていますから、「3リッター×7日×家族数」で計算して、できるだけ備蓄しておきましょう。
冷蔵庫の中身も利用できるので2日は安心できる
例え停電していたとしても、冷蔵庫の中は直ぐには常温になることはありません。停電が早期に復旧する可能性もありますが、次の順番で利用すれば2日は冷蔵庫の中身で大丈夫ですからね。
- 冷凍庫にある氷を清潔なビニール袋に入れる
- 冷蔵室に入れておけば、冷蔵室の温度の上昇を防ぎ溶けたら飲料水となる
- 先ずは冷凍室にある物から調理して食べていく
- 冷蔵室はむやみに開け閉めしない
カセットコンロは必需品!オール電化でも大丈夫
カセットコンロとカセットボンベは、必ず備蓄しておきましょう。これさえあれば、オール電化の家でも火を使った調理が可能となるので、食いつなげることができる日数がグンと長くなりますよ。
- カセットコンロとカセットボンベは必ず備蓄しておこう
- バスタブには残り湯をできるだけ貯めておく
- レトルト食品を温めたりするのは風呂の残り湯を使う
防災シェルターがあれば「家庭内避難」が万全になる
「家庭外避難」と「家庭内避難」どちらが良いのかと考えると、難しいところがありますね。避難所に行けば食料や飲料水に困ることはありませんが、プライバシーは保たれませんからね。一方で、家庭内で避難する場合だと飲料水や食料の備蓄に苦労することとなります。最も困るのは地震で備蓄していたパントリーなどが塞がれてしまうことです。
そこで全く備蓄品を心配することなく、安全に素早く家庭内避難できるのが「防災シェルター」なのです。設置にはそれなりの金額を要することとなりますが、完全な安心が手に入ると思えば高くはない金額でしょう。現在では様々なタイプが販売されているので、ご自宅の状況に合わせて金額を含めて相談してみると良いですよ。
なにしろ、安全に備蓄できて安心してご家族専用の避難所ができるのは、嬉しい限りですね。