住宅火災が発生した時、煙や炎、臭いや音などですぐに気づくことができれば問題がないと思う人も多いかもしれません。
しかし、火災はいつ起きるか分からないものです。
防災シェルターなど防災対策をしていても、火災は逃れることが難しいものなので、火災をすぐに発見することが必要です。
常に火災に気づくことができるかというと、分からないことがほとんどであり、発見が遅れることで助かる命を失うこともあり得ます。
火災をいち早く発見するために「住宅用火災報知器」の設置が義務づけられています。
住宅用火災報知器とは?
家庭内の火災発生をいち早く知らせてくれるものが、住宅用火災報知器になります。
2006年6月1日から住宅に設置義務付けられ、すべての住宅に住宅用火災報知器は設置されています。
感知をする部分と警報をする部分が一つの機器の内部に入っており、火災発生時に瞬時に煙を感知して、音や音声によって火災の発生を私たちに知らせてくれます。
しかし、いまだに設置率は全国で83.1%と低く、総務省では未設置世帯に対して設置の働きかけや維持管理に対する呼びかけをしています。
価格が高いというイメージと、複数台の準備が難しく設置率が低くなっています。
出典:住宅用火災報知器の設置率等の調査結果(令和3年6月1日現在)|総務省
住宅用火災報知器はどこに設置するの?
住宅用火災報知器を万が一設置していない場合、これから設置をする場合にはどこに設置するのが良いのでしょうか?
本来であれば全ての部屋に設置するべきではありますが、基本は寝室と寝室がある階の階段の上部に設置することが必要です。
2階建て3階建てなど住宅の階数によっては、その他の場所への設置も必要になります。
ここで、なぜ寝室に設置をする必要があるのか?と思われたかもしれませんが、近年の住宅火災による死者の死亡原因に逃げ遅れが多く、火災発生時間も深夜帯(就寝時)が最も多いので、火災発生時に効果が高い場所へ設置と考えた際、寝室への設置が一番だということで設置が義務化されました。
お住まいの地域にの条例等によっては、台所、その他の居室への設置を義務付けている地域もあります。
お住まいの地域の火災報知にの設置に関する条例を確認してから、設置をするようにしてください。
設置をしただけで大丈夫?
住宅用の火災報知器は義務かされてからすぐに設置しているから、我が家は大丈夫!問題はない!
そう思われている人もいるかもしれませんが、その住宅用火災報知器は設置してからどのくらい経過していますか?
住宅用火災報知器が適切に機能させるためには、維持管理が必要です。
住宅用火災報知器の多くは電池式なので、電池切れをしてしまうことがあります。
ボタンや紐を引いて正常な音や音声が出てくれば正常であり問題はありませんが、音がしない場合には電池交換をしてみましょう。
それでも音が鳴らない場合には機器本体の故障ということもあるので、取扱説明書を確認して本体の交換等をしてください。
住宅用火災報知器にも耐用年数もあるので、耐用年数を過ぎた住宅用火災報知器は交換の必要があります。価格などをチェックして必要なものを購入しましょう。
住宅用火災報知器の耐用年数は10年です。
10年以上経過している場合には本体の交換を推奨しているので、ご自宅の火災報知器をチェックしてみましょう。
まとめ
家族の命を守るためには防災シェルターや備蓄だけではなく、火災報知器の設置は重要であり、まだ設置をされていない場合はいち早く設置をし、既に設置をしているご家庭では点検をするようにしてください。