防災カードゲームの『クロスロード』は問いに対して「YES」か「NO」で答えるシンプルなルール。グループで行います。問いにはYESと答えてもNOと答えても問題が生じそうに選ばれており、参加者を悩ませます。どちらに答えても問題が起きそうなところがポイントです。
クロスロードの始まりは1995年に発生した阪神淡路大震災(兵庫県南部地震)。災害対応にあたった神戸市職員が実際に難しい判断を迫られた事例を元に設問は作られました。
ペットを避難所に連れていく?
たとえば、このような問いがあります。
「あなたは市民。大きな地震のため、避難所(小学校避難所)に避難しなければならない。しかし、家族同然の飼い犬“もも”(ゴールデンレトリバー、メス3歳)がいる。一緒に避難所に連れて行く?」
みなさんもYESかNOかで答えてみてください。
どちらの意見に賛成ですか。
ゲームの流れ
- 多数派を決める関係で3人または5人(奇数)のグループに分かれます
- 進行役が設問を読みあげます
- 設問に対して「YES」「NO」を決め、裏返しのままカードをテーブルの上に出します
- 合図で一斉にカードをオープン
- 多数意見のメンバーがポイント(青座布団)ゲット
- ひとりだけ違う意見だった場合は多数派ではなく、貴重な意見を出した少数派がポイント(金座布団)を得ることができます
- グループ内でメンバー全員がカードを選んだ理由を話し合います
クロスロードで得られるもの
クロスロードの設問は状況があいまいです。人によって設問の受け取り方が異なったり、場合によるから判断できないという意見も出てきたりします。これは意地悪ではなくて、災害時を想定したもの。停電になればテレビから情報が入ってこなくなりますし、ネットから情報を得る場合はデマに注意しなければなりません。そして、最悪の場合、その限りある情報を頼りに生死を分ける判断をしなければなりません。
防災シェルターに逃げる場合は他の避難者はいないかもしれませんが、避難所に避難することになる場合は他の避難者と一緒に過ごすことになります。慣れない状況で不安が高まり、普段は気にならないことも目がいってしまうかもしれませんが、いろいろな意見の人が集まると思っていると少しは気が休まるかもしれません。
クロスロードではあいまいな情報でも自分の意見を決めるコツ、自分と異なる判断をする人がいて、それぞれの意見に理由があることを学ぶことができます。
事前にルールを話し合っておく
ひと通り話し合い意見がまとまったら、条件を少し変えてみると新しい問題が生まれることもあります。
例えば、同じゴールデンレトリバーでもしつけが不十分で無駄吠えしたらどうするかとか、ペットはペットでも一般的には苦手な人が多いと思われるヘビだったらどうかとかなど話し合ってみるのも面白いでしょう。
災害が発生してからではゆっくり話し合うのは難しくなります。災害が発生する前に回りの人と線引きを決めておくのが大切になります。
まとめ
見知らぬ人が集まる避難所はけして居心地のよい場所ではありません。
住み慣れた自宅で避難生活を送ることができればよいのですが、倒壊する不安が出てくることもあるかもしれません。そんなときに防災シェルターがあると安心です。価格も気になりますが、安心には変えられません。事前に価格を確認しておくのもひとつの選択肢です。災害が発生する前にさまざまな可能性について考えておくのが大切です。
※クロスロード(CROSSROAD)はチームクロスロードの著作物です。