毎年、夏になると当たり前のように猛暑日や熱中症という言葉を耳にします。猛暑日は、気象庁が2007年4月から予報用語に加えたもので日最高気温が35℃以上の日をいいます。熱中症はさらにその前から使われていますが、広く認識されるようになったのは2000年代になってからのようです。今回は、熱中症の予防と応急処置についておさらいします。
1.熱中症とは
人の身体は、運動や野外活動などで体温が上がっても、汗や皮膚温度が上昇して体温が外へ逃げる仕組みになっています。
熱中症になると、体温調整や体内の水分と塩分のバランスが崩れて、身体の中に熱が溜まってしまいます。筋肉痛や大量の汗が出るなど、ひどくなると吐き気や倦怠感などの症状が現れます。重症になると意識障害を起こすことがありますので早い段階で対処することが大切です。
熱中症を引き起こす3つの要因
【環境】 高温 多湿 強い日差し エアコンのない部屋など
【身体】 高齢者や乳幼児 寝不足 脱水症状など
【行動】 激しい運動 長時間の屋外作業など
停電になった夏の避難所はエアコンが使えないため、寝不足などの不規則な生活、トイレに行く回数を減らしたくて水分を控えるなど、熱中症の要因がすべて揃います。これらの環境を改善するために、防災シェルターの設置は価格と予算が合えば有効な手段です。
2. 熱中症を予防するために
軽い脱水状態のときは、のどの渇きを感じないことがあるので、のどが渇く前に意識して水分を摂るようにします。室内では、エアコンや扇風機を使い適切な温度に調節し、外出時は日傘や帽子を使って日差しを避けます。
【特に注意したい人】
高齢者の熱中症の特徴は、室内で多く発生していることです。暑さやのどの渇きを感じにくく、心機能や腎機能が低下しがちなため、症状がより重篤になりやすい傾向にあります。
乳幼児は、大人と比べて汗腺の発達が未熟で体温調節がうまくできません。熱中症には十分な注意が必要です。
3. 熱中症の応急処置について
熱中症で救急車を呼んだ場合は、到着するまでの間に応急処置を始めます。涼しい場所に避難して身体を冷やします。氷のうなど冷やすものがあれば、首、腋の下、大腿の付け根を集中的に冷やしましょう。
4. 最後に
夏の避難所は屋内でも熱中症のリスクがあります。防災シェルターの中は空調管理されているので高温多湿な日本の夏も快適に過ごせます。高齢の方や体調に配慮する方にも負担をかけません。価格の負担は大きいかもしれませんが避難生活で大切なことは心と身体の健康ではないでしょうか。
環境省 熱中症予防情報サイト