VMATとは動物専門の災害対策支援チームのことで、2013年に全国で初めて福岡県獣医師会が設立しました。人の為のDMATを動物に置き換えた形となります。

あるアンケートによると、避難所での犬の鳴き声や臭い、ペットによる子供への危害などのトラブルが多く見られ、健康への影響についても報告されています。

このようなことから福岡県獣医師会は、災害時の動物と飼い主のケア、避難所の衛生管理の為にも、獣医師などの専門職が必須であるという考えから設立した経緯があります。

費用という問題もありますが防災シェルターが普及すれば、災害時人とペットが気兼ねなく過ごせ命も守ることができますね。そんな日が来ることを切に願います。

今回は、VMATの活動に焦点を当てていきましょう。

VMATの主な活動

◆怪我をした動物の救急処置

◆避難所を巡回し、動物の健康診断

◆ペットフードなど動物に必要物資の移送

◆被災者からペットの健康相談を受け、アドバイスをする

◆避難所以外の被災者に対しても、ペットに関する相談を受ける

この上記の活動の為に獣医師や動物看護士、トリマーなどは、動物救護の専門的な訓練を受けています。災害や疾病動物が発生48時間以内に出動することを目指しています。

原則自治体からの要請に基づいて活動しますが、自治体が混乱している際には協定に従い、獣医師会の判断で活動を開始することもあります。

これらの活動は評価され、全国的にも支持されるようになってきています。現在では、大阪府や群馬県、沖縄県でもVMATが組織されています。

◆これからのVMATの課題とは?

2016年の熊本地震の際には、福岡VMATから獣医師、動物介護士が60人派遣され、15日間支援活動を続けました。

また活動対象は犬猫などのペットだけでなく、家畜や特定動物(猿、虎、鷹など)も含まれています。

けれどDMATが国の防災基本計画に明記され、活動費用も国から援助されているのに対して、VMATは獣医師会と自治会のみの協定で活動しています。

つまり活動を続けていくには、まだまだ課題が多く残されているということです。今後2年以内には九州地方のほとんどで組織される予定であり、次第に認知されていくことで全国的な広がりも期待できます。

まとめ

2011年の東日本大震災では、多くのペットの救護が遅れた事実があります。それを教訓にして、福岡県獣医師会がVMATを設立したとも云われています。

今やペットは家族同然であり、ペットの為に命を投出す人さえいる時代です。災害時にはペットも人と同じように心身のケアが必要となってきます。

避難所での生活はペットにとってもストレスであり、体調が悪くなることもあります。

VMATのような組織は飼い主にとっても有難いもので、認知度が高まることが望まれます。いつか防災シェルターを装備し、自身とペットの命を守るのが当たり前の時代がくるのでしょうか?費用に対しても国の補助金制度が使えるならいいですね。

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