「南海トラフ巨大地震」の発生率は70%~80%と、とても高い確率が示されています。逆に言えば20%~30%の確率で「南海トラフ巨大地震」は発生しないとも言える訳ですよね。ただ、確率論で話をすれば大災害が起きる確率は高いわけで、起きないと信じて対策を何もしないよりは、起きると予想して対策をきちんと講じている方が賢明だと言えるでしょう。では、その高い発生率の根拠を解説してみましょう。
地震予測は過去に起きた地震を積み重ねて解析される
日本は地震大国と呼ばれる程、地震の多い国であることは皆さんご存じだと思います。地震の発生率の予測は過去に起きた実際の地震を積み重ねて解析されていて、その周期的な予測を分析、計算しているのです。
地震のメカニズムを復習してみよう
ではここで地震が起きるメカニズムを、復習してみましょう。地震の種類は大きく分けると、1:海溝型地震、2:断層型地震、3:火山性地震の3種類に分類されます。「南海トラフ巨大地震」はこの内の「1:海溝型地震」に該当しますね。
- 東日本大震災は海溝型地震によって起きた災害
- 海の底には「海洋プレート」と、大陸を形作る「大陸プレート」がある
- 「大陸プレート」と「海洋プレート」がぶつかり合っている
- 「大陸プレート」が「海洋プレート」に引き込まれていく
- 「大陸プレート」が限界になると、引き込まれた部分が元に戻ろうとする
- 「大陸プレート」が元に戻るときに起きる振動が地震となる
- 地震の規模が大きく、東日本大震災のような大津波も引き起こす
とても簡単にまとめましたが、海溝型地震のメカニズムはこのとおりです。そして「南海トラフ巨大地震」も、この海溝型地震となるのです。
南海トラフの過去の地震と周期
ここで、お題でもある南海トラフ巨大地震の発生率80%の根拠を、過去の歴史から解説しておきましょう。
- 宝永地震(1707年)は、駿河湾から四国沖の広い領域で同時に地震が発生
- マグニチュード8クラスの大規模地震が隣接する領域で時間差をおいて発生
- 安政東海地震(1854年)の際には、その32時間後に安政南海地震(1854年)が発生
- 昭和東南海地震(1944年)の際には、2年後に昭和南海地震(1946年)が発生
- 南海トラフ地震は、概ね100~150年間隔で繰り返し発生
- 前回の南海トラフ地震(昭和東南海地震(1944年)及び、昭和南海地震(1946年)が発生してから70年以上が経過
- 次の南海トラフ地震発生の切迫性が高まってきている
このような南海トラフで起きた地震の歴史から、南海トラフ巨大地震の発生確率が80%であると予想されているのです。
東日本大震災を教訓にした巨大地震・津波への備え
東日本大震災での地震や特に津波については、未だに身震いを隠せない方もいらっしゃいます。それほど過去に経験した事ない酷い災害でしたよね。その教訓を踏まえれば巨大地震や大津波に対する防災対策は何なのか?考えさせられます。
東日本大震災以降、見直されているのが「防災シェルター」なのです。「いつ起きるか分からない災害に、そんな金額は投資できない!」との声がある一方で、家族の命を守るために既に防災シェルターを設置された方もいらっしゃいます。 現在では、様々な防災シェルターが販売されているので金額も一様ではありません。80%の確率で起こる大災害に何を備えれば良いのかお悩みの方は、防災シェルターをご検討してみてはいかがでしょう。