罹災証明書は絶望の淵にある被災者にとっては、最初の希望です。大切な罹災証明書が発行できない場合があるので気をつけましょう。
罹災証明書とは
災害による住宅等の被害の程度(全壊・大規模半壊・半壊・一部損壊)を証明する書面です。
災害時に被災者から申請があったときは、自治体は罹災証明書を発行する義務を負っています。住宅の被害の程度が一目瞭然になるため、様々な被害者支援の際に基準として活用できて便利です。被災者生活再建支援金の金額決定、仮設住宅入居、応急修理の要件を満たすかどうかの確認にも使われています。
あくまでも、被災者支援の円滑化のために自治体に発行義務を課しているのであり、あらゆる制度の利用に罹災証明書が必要なわけではありません。罹災証明書がなくても受けられる支援はあります。
証明書がもらえないケース①申請期限切れ
罹災証明書の発行の申請期間は、罹災してから約2週間〜1ヶ月です。市町村の職員が被害を受けた建物などを調査します。加えて支援金支給申請書や住民票、預金通帳のコピー、住宅の契約書などと一緒に市町村役場へ提出しましょう。
提出期限は、基礎支援金であれば災害発生日から13ヶ月以内、支援金であれば37ヶ月以内です。
証明書がもらえないケース②罹災証明書を発行してくれる自治体が被害に合っている
市町村の役所・役場は、住民にとって何か困ったときにすぐに相談できるいわば「駆け込み寺」的な存在です。災害時に罹災証明書を発行して欲しくても、役所自体が被災に遭遇していると機能できません。そんな時は、被害を受けていない隣町まで行って罹災証明書の申請をしましょう。
証明書がもらえないケース③被害認定されない
大規模被災地では、外観目視だけでとりあえず被害認定する「第1次調査」と、内観の詳細な調査もおこなった上で被害認定する「第2次調査」に分けて調査が行われます。
第1次調査の被害認定で外見上の損傷があまり見られず「半壊」などの認定になっていても、第2次調査でより重度の被害認定となるケースもあります。ただし、第2次調査は被災者から申請があった場合に限って実施されるのが通常です。被災認定に違和感がある場合には、第2次調査を申請しましょう。
住宅の撤去・解体・修繕や片付けをする前の段階で、被災状況の写真を撮影しておきましょう。建物の安全に十分注意しながら、被害箇所だけでなく、建物の内部と外部の写真を撮ってください。東西南北あらゆる方向から、「これでもか!」とばかりに何枚も写真撮影しておきましょう。
証明書がもらえないケース④すぐには貰えない
実際に罹災証明書が発行されるまでには、一定の時間がかかります。大災害では、個別に調査せず、一定エリアを一括で全壊認定していました。また、被災者自身が撮影した写真を利用して迅速に認定しており、発行までの時間を短縮する取り組みがなされています。