ひとくちに避難する場所といっても、実は種類があります。「避難場所」と「(指定)避難所」のふたつに大きく分けられます。種類を覚えて、災害発生時に困らないよう区別しておきましょう。
いっとき避難所
災害が起きてまず向かう場所はいっとき避難場所です。地震発生直後に取り急ぎ身の安全を確保して状況を把握するための場所です。
一般的には倒壊や落下物がない広場や公園が選定されます。地域の自主防災組織の避難誘導や安否確認を待つ場所になることもあります。余震が収まり、自宅に倒壊の恐れがないと判断したら「自宅に避難」しましょう。この場合、自宅が避難所になります(在宅避難)。
在宅避難
自宅が倒壊したり危険が差し迫ったりしている場所でなければ自宅に避難するのが原則になります。自宅に防災シェルターがあれば、プライバシーが確保されている安心できる避難所になります。
指定避難所
自宅が倒壊したり倒壊する恐れがあったり、危険が差し迫っている場合には安全が確保できるまで指定避難所で滞在することができます。公立の小学校や公民館が指定されるケースが多いです。
施設管理者(公務員)が施設を開放し、行政から担当者が派遣され、住民の状況や要望を確認します。もしかしたら、指定避難所は行政が助けてくれる場所だと思っている方もいるかもしれませんが、半分は正しいのですが、半分は間違っています。たしかに食料や避難に必要な物資をある程度は備蓄していますし、支援物資を配送してもらえます。しかし、避難所を運営するのは地域住民です。ストレスが多い被災状況の中、住民がお互い助け合って乗り越えていかなければなりません。
補助避難所
指定避難所を補助する施設。指定避難所まで避難することが困難な方たちや、大勢の中で避難生活を送ることが難しい方(災害時要援護者など)を受け入れる施設、指定避難所への避難者数が多く収容人数を超えてしまった場合などに開設されます。支援物資は指定避難所経由で配送されます。
福祉避難所
平時に社会福祉施設として活動している施設が、指定避難所や補助避難所では生活が困難な高齢者や障がい者を受け入れるために開設する避難所です。行政が支援(受け入れ)を要請することで(要請してはじめて)開設する場合があります。普段から福祉施設として活動しているため福祉に特化した対応が期待されています。
地区避難施設
地域住民が自主的に運営する避難場所です。市の施設ではないため、備蓄は自主防災組織が自主的に行い、災害に備えています。市の避難施設ではありませんが、市へ報告することによって支援物資を受け取ることができる場合があります。地域に寄り添った運営ができるとされています。
災害が起きたからといって気軽に避難所に行かないほうがよいかもしれません
避難所もどんどん避難者のストレスを軽減できるよう工夫されてきてはいますが、それでも自宅の快適さにはかないません。自宅にいても安全な方は自宅で避難しましょう。
地震が来たら避難所へという声も耳にしたことがあるので、念のためお伝えします。段ボールで囲われる程度のプライバシーしかありませんし、知らない人たちと共同生活を送るのは気を遣います。いつもどこかで物音がしていると思ったほうがいいでしょう。
自宅に倒壊する危険のない防災シェルターがあれば何よりです。被災生活は精神的に疲れます。安心して過ごすことができれば、それだけで余裕がでてきます。精神的疲労軽減をある程度の価格で購入できると覚えておきましょう。予算にあった価格の防災シェルターがあれば尚良いですね。