世界の流れに乗り遅れ気味感はありつつも、日本でもじわじわとキャッシュレス化が進んでいます。財布を持たず、スマホやカードひとつで買い物ができるのはとても便利なことです。

しかし、キャッシュレスに慣れてしまっていると、災害時に思いもよらず「買い物難民」に陥ってしまう可能性も…。

今回は災害時の備えとして、現金が必要な理由を紹介していきます。

災害時には、キャッシュレス決済が使えなくなる可能性大!

キャッシュレスというのは、現金である紙幣や硬貨を持ち歩かずに、電子マネーやクレジットカード、口座振替を利用して決済を行う方法です。様々なタイプのキャッシュレス決済の方法がありますが、いずれの場合も専用端末で読み取るなどの操作が必要です。

さらに、専用端末によってネット回線を経由してお金の情報をやり取りしています。つまり、キャッシュレス決済は「電気」と「ネット回線」の2つが整っていて初めて利用できるシステムなのです。

災害時には、どうしても電気とネット回線は深刻なダメージを受けやすいです。もちろん、一般的なお店に並ぶレジも電気を使用するため、災害時には一時的に使用できなくなるかもしれません。

しかし、実際の震災時にはお店の店員さんが手作業で計算し、会計を済ませるケースも珍しくありません。つまり、電気がストップしていても現金さえあれば、食べ物などの必要なものを購入できる可能性が高いわけです。

災害時はATMの使用も難しい…

「自宅に現金を置いておくのは怖いから、災害が起きてからATMでお金をおろすようにしよう。」と考える方もいるかもしれません。しかし、停電が発生すればキャッシュレス決済だけでなく、ATMも使えなくなってしまいます。

銀行などの金融機関が営業を再開すれば、キャッシュカードがなくても現金を引き出せる可能性はあります。しかし、営業開始までの数日間は現金を引き出せないと考えたほうが良いでしょう。

現金は3~4日の生活を想定!

以上のことから、災害時の備えとして自宅に現金を用意しておくことをおすすめします。中には「自宅に大金を置いておくのは怖い…。」と考える方もいらっしゃるかもしれません。

災害時の備えとして用意しておく費用は、3~4日ほどの生活を支えられる程度で良いでしょう。なぜなら、前述したように災害発生から時間が経過すれば、金融機関で現金を引き出せるようになるからです。

さらにいえば、災害発生から数日~数週間程度の食事を事前に備蓄しておけば、食べ物を現金で購入する必要はあまりないでしょう。

数十万円という大金を自宅に置いておくのは怖いですが、数万円を防災シェルターに置いておくのならまだ安心はできます。災害時はお店側もお釣りを用意するのが難しくなるので、高額の紙幣だけで済ませず、500円玉、100円玉、10円玉などの小銭も用意しておきましょう。

まとめ

キャッシュレス決済は日常生活の中では非常に便利ですが、非日常となると途端にその恩恵を受けられなくなってしまいます。それどころか、普段からキャッシュレス決済を利用している人は、災害時に「口座にはたくさんお金があるのに、目の前のパンを買えない。」といった買い物難民に陥る可能性も高くなります。

しっかりと防災に費用をかけて防災シェルターを用意するだけでなく、普段から災害時を想定し、数日間の生活を支えられる現金を用意することもおすすめします。

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