人間の体は、半分以上が水分でできており、その割合は小児で約70%、成人で約60%、高齢者で約50%にもなります。
また、1日に必要な水分の摂取量は、約3,000mlと言われています。
災害が発生し、避難生活を強いられたとしても、“飲料水が無い“と生きていくことができません。
“生きていくことができない“といった表現は、漠然としていて強すぎるようにも思いますが、まぎれもない真実であり、飲む水がないと数日後に死を迎えることになるのです。
人にとって“水分を摂る”ということは、とても重要なことであり、生きていく上で必要不可欠なものだということを、原点に返って考えてみるのも良いかもしれません。
では、災害時の備えとして“どれだけの飲料水を備蓄しておけばいいのか”ということをついて具体的に考えてみましょう。
1日に必要な水分摂取量は、体重1kgあたり約50mlであり、体重ごとの目安は下記のとおりです。
70kg×50ml=3,500ml
60kg×50ml=3,000ml
50kg×50ml=2,500ml
40kg×50ml=2,000ml
例えば、体重約60kgならば、1日分は3Lになります。
災害時は、3~7日分の備蓄が望ましいとされているため、3日分で9L、7日分で21Lの飲料水が必要となってきます。
仮に、段ボールの箱には2L×6本入っていますので、1箱12Lですから、7日分では2箱あれば十分足りるということ。
~災害時に必要な飲料水~
7日分で11本(2Lペットボトル) ⇒2箱準備すればOK
どうでしょう?
2Lペットボトルを11本備蓄するとなると、かなりの量になります。
家族2人なら22本【4箱】、4人なら44本【7~8箱】
しかし、生き延びるためにはこれが最低限必要な量なのです。
また、必要な飲料水の量は分かりましたが、“どこに保管しておくか“ということも考えなければなりません。
保管場所は、直射日光が当たらない場所で室温・湿度が高くならない場所であればどこでも大丈夫なのですが、基本的に屋内の物置か押し入れといった場所になるでしょう。
実は、普通のミネラルウォーターは保存期間が短い!?
災害時のために準備した飲料水が、“どれだけ保存が効くのか“ということも考えなければなりません。
スーパーなどで売っているミネラルウォーターは、意外にも保存期間が短く、1~2年ぐらいです。
また、飲用のポリ容器(5~20L入るものが一般的に販売されています。)を購入し、水道水や井戸水を入れておくにしても、数日おきに中身を入れ替える必要があり、あまり効率的ではありません。
災害時用としては、保存期間5~15年の飲料水(ミネラルウォーター)が販売されていますので、できるだけ保存期間が長いものを準備するのであれば、経済的にも良いのではないでしょうか。
災害時は、飲む以外にも水を必要とする場面があるということを忘れずに。
ここまでのお話は、“飲料水としてどれだけ必要になるか”という内容でした。
もう一つ注意しなければならないことは、“水を使うのは飲むためだけではない”ということです。
生活をする上で、水は飲む以外にも多くの場面で使います。
例えば、
・手洗い
・歯磨き
・体をふく時
・お湯を沸かす時
・食事を作る時
・トイレを流す時
・洗面、洗髪
この中では、飲めない生活水で事が足りるのもあるかと思いますが、飲むため以外にもこれだけ水を必要とする場面があるということを忘れてはなりません。
つまり、飲料水として準備する量よりも“さらに多めに準備しなければならない“ということが言えるのです。
その必要量はどれだけなのか。
・歯磨きの時は3回うがいしたら何ml?
・顔を洗う時や体を拭く時は、別のペーパータオルを使うから水は使わない
・お湯を沸かす時は500ml
など
このように一つひとつ想像しながら「トータル的にあと1~2箱は、備蓄用として必要かな・・・。」とざっくりしたものでも良いと思いますので、今一度考えてみてはいかかでしょうか。