現病歴と既往歴について
初めて受診する病院では、現病歴と既往歴(きおうれき)を正確に伝えることが大切です。それは、あなたが適切な治療を受けるためであり、医療従事者にとっては最短で治療方針を決める情報だからです。
現病歴とは、今の症状が、「いつ、どのように発症して、どんな状態が、どのように経過したか」ということです。
既往歴とは、「出生時から現在までの健康状態および病歴」をいいます。これには罹患したことのある疾患やアレルギーの有無が含まれます。
情報を正確に伝えるために備えておきたいもの
では、被災して災害拠点病院で治療を受ける場合はどうでしょう。緊急時に、症状やアレルギー疾患の有無、服用している薬などを正確に伝えるのは難しいことです。予め用意しておくことで、応急処置をする人や医療機関も、より早く対応することができます。
お薬手帳や既往歴を書いておくのは、防災用品の準備リストにもありますので、ここでは二つご紹介します。
(1)救急安心カードを携帯する
地方自治体では「救急安心カード」「安心カード」などの名称でカードを発行しています。個人の情報や既往歴、かかりつけの病院や服用している薬などを自分で記入します。書式は統一されていませんが、救急対応で必要な項目は一通りあります。入手方法は自治体によって違いますのでホームページや電話で確認してください。
また、慢性疾患などで現在治療を受けている場合は、担当の医師に相談して作成することをおすすめします。
(2)スマートフォンに情報を入力する
例えば、iPhoneの「メディカルID」、Androidの「緊急情報」に入力しておくと、端末がロックされていても緊急時にアクセスできる機種もあります。お持ちのスマートフォンや携帯端末を確認してみてください。
最後に
救急対応は、「早く正確に」が重要です。特に、被災して混乱しているときは、自身の状態を正確に伝えることがとても難しいです。防災シェルターがあれば、健康状態や既往症の記録だけでなく、大切なものを保管し必要な時にすぐに取り出すことができます。
室内は、ベッドを置くスペースが十分にあるので、怪我や病気を抱えている人も安心して過ごせます。 防災シェルターと聞くと、価格の見当がつかず手が届かないものだと思うかもしれません。救急医療も防災も一刻を争うものです。大切な命のために必要なことをもう一度確認してみてください。シェルターは、あなたの想像より現実的な価格かもしれません。